外壁塗装の色選びで失費しないポイントをプロが解説
2024.04.16更新 外壁塗装
外壁塗装をおこなう際に発生するトラブルの1つに、色選びで失敗するというものがあります。外壁塗装が終わったあと、仕上がりを見たら思っていたものと違っていたり、汚れが目立つ色だったり、全体的に色あせて見えてしまったり、といったケースが存在します。
ここでは、外壁塗装の色選びで失敗しないためのポイントについて、実際の実例などを用いて紹介していきます。外壁塗装を予定しているが、色選びで悩んでいる方などは、参考にしてみてください。
目次
外壁塗装の色選びで多い失敗理由とは？
外壁塗装では、色選びで失敗したと感じるさまざまな理由があります。外壁塗装は頻繁におこなうものではないため、多くのケースで知識がないことが、色選びで失敗する原因となっています。
外壁塗装の色選びの失敗理由として特に多いのは、
- 仕上がりがイメージと違う
- 汚れが目立つ色だった
- 色あせしやすい色だった
というものが挙げられます。
ここでは、それぞれの項目について詳細に解説します。これから外壁塗装をする予定の方は、この項目に該当しないかどうか、よくチェックしておきましょう。
仕上がりがイメージと違う
外壁塗装の色選びで一番多い失敗理由は、仕上がりがイメージと違う、というものです。
外壁塗装では、事前にどのような色で外壁を塗装するかなど、細かい打ち合わせをおこないます。カタログやカラーサンプルなどを見た上で、どの色にするか選びますが、それでも実際の仕上がりを見ると、思っていたイメージと違うということが起こります。
思っていた色よりも濃かった・薄かった、違う色に見えるなど、仕上がりとイメージのずれが生じるのが原因です。
汚れが目立つ色だった
次に多い失敗理由に挙げられるのが、汚れが目立つ色だったというものです。
外壁塗装の施工後、仕上がりには満足していたものの、ある程度期間が経つと汚れが目立ってきた、ということが起こります。
特に外壁は雨やホコリなどに常にさらされているため、塗装した色によっては汚れが目立ち、外壁塗装直後のきれいな状態が続かないことがあります。
また、日光の当たり方などによって、汚れが目立ちやすいケースもありますので、色選びにはさまざまな要素を検討する必要があります。
色あせしやすい色だった
こちらも上記と似たような理由になりますが、塗装の色によっては色あせしやすい場合があります。
このケースでも、外壁塗装の施工直後は仕上がりに満足していても、ある程度期間が経った後に色あせが目立つようになり、失敗したと感じるようになります。色あせが起こると、外壁塗装をおこなったばかりなのに、外壁塗装が傷んでいるように見えてしまいます。
塗装として問題がなくても、見た目がよくないため、失敗したと感じることが多くなっています。また、塗装の劣化具合がわかりにくくなるため、色あせしにくい色を選ぶ必要があります。
外壁塗装の色選びで失敗しないポイントやコツは？
外壁塗装の色選びで失敗する理由を紹介しましたが、色選びで失敗しないためのポイントやコツも存在します。
ここでは、外壁塗装で失敗しないための色選びのポイントについて、
- 面積効果を考える
- 明るい色はワントーン暗めを選ぶ
- 暗い色はワントーン明るめを選ぶ
- 実際の建物を見に行く
という項目から解説します。
どの項目も難しい方法ではなく、少しの手間と工夫でできますので、外壁塗装で失敗したくない方は、ぜひ参考にしてみてください。
面積効果を考える
外壁塗装の仕上がりが思ったものと違ったという失敗の一番の理由が、この面積効果です。
面積効果とは色の錯覚の一種で、同じ色であっても、面積の大小で見え方が異なる現象です。明るい色は、面積が広くなるとより明るく見え、暗い色は面積が広くなるとより暗く見えてしまいます。これが面積効果による現象です。
一般的に外壁は面積が広いため、この面積効果が出やすくなっています。そのため、カタログのサンプルで色を選ぶ場合、面積効果が起こることを考慮しておく必要があります。
明るい色はワントーン暗めを選ぶ
色選びで失敗する理由として、面積効果を紹介しましたが、外壁塗装では面積効果が出やすいため、色を選ぶ際はあらかじめ考慮しておく必要があります。
外壁塗装に明るい色を選ぶ場合は、塗りたい色のカラーサンプルよりもワントーン暗めの色を選ぶとイメージした仕上がりに近づきます。
実際には外壁の面積の広さや使用する色の種類、家屋がある環境などで多少の差はありますが、ワントーン暗めにすると失敗することが少ない傾向があります。
暗い色はワントーン明るめを選ぶ
先程とは反対に、外壁塗装に暗い色を選ぶ場合は、ワントーン明るめの色を選ぶと失敗しにくくなります。面積効果の影響で、選んだカラーサンプルの色よりも暗く見えてしまうためです。
実際には選ぶ色や外壁の面積によってカラーサンプルと仕上がりの色の違い具合は異なりますが、ワントーン明るめにする、というのを基準にして選ぶと失敗しにくくなります。
実際の建物を見に行く
外壁塗装の色選びで失敗しないためにおすすめの方法は、実際に外壁塗装された建物を見に行くことです。カラーサンプルや写真、シミュレーションアプリなどで確認しても、実際に外壁塗装したものとは完全に同じにはなりません。
そのため、可能であれば実際に外壁塗装をした建物を自分の目で確認することをおすすめします。外壁塗装の受注が多い業者であれば、直近で外壁塗装をした物件が何軒かあるはずです。
その中から、家屋の形態が似ている物件で、同じような色で塗装した物件を見学させてもらいましょう。そのとき、どの色で塗装したかを確認しておき、そのカラーサンプルも確認しましょう。
実物の建物の色とカラーサンプルの色の違いを確認しておくと、カラーサンプルと実際の外壁塗装の色の違いがイメージできるようになります。
外壁塗装の色選びに役立つシミュレーションアプリ
外壁塗装の色選びでは、カラーサンプルや写真などから決めることが多いのですが、最近では外壁塗装の色選びで役立つシミュレーションアプリがあります。
シミュレーションアプリを使うことで、これまでの色選びよりも実際の色がわかりやすく、施工後のイメージがつかみやすくなるため便利です。
ここでは、外壁塗装の色選びに使えるおすすめのシミュレーションアプリを紹介します。
ツートン外壁の色決めにおすすめのシミュレーションアプリ
外壁塗装をツートンカラーでおこなう予定があるのなら、ツートンカラーに対応したシミュレーションアプリを使用する必要があります。
ツートンカラーの場合におすすめなのが、エスケー化研の住宅塗り替えシミュレーションです。こちらはアプリではなくWebサイトですが、画面が見やすく簡単で使いやすいため、初めて使う方にもおすすめです。
家屋のバルコニーなど、細かい部分の色も変更できるため、イメージがつかみやすくなっています。ツートンカラーにも対応しているので、さまざまな色の組み合わせを試してみましょう。
Nippon Paint Colour Creations｜iOS/Android対応
Nippon Paint Colour Creationsは、iOS、Androidの両方に対応したアプリで、スマートフォンなどで利用できます。ダウンロードは無料で、課金する必要もありません。
このアプリの特徴は、自分で撮影した画像を利用できるという点です。
そのため、外壁塗装をしたい家屋を撮影しておき、その画像を使ってシミュレーションできるため、よりイメージがつかみやすくなります。
使い方は簡単で、用意された見本色かカラーチャートの中から外壁塗装に使いたい色を選び、用意した画像を塗装します。用意された色の種類も多いため、イメージにあった色を選びやすくなっています。
Nippon Paint Colour Creationsはこちら
i Color Paint｜iOS対応
i Color Paintは、スズカファイン株式会社が提供するシミュレーションアプリです。このアプリも自分で撮影した画像を使ってシミュレーションすることができます。
使い方も簡単で、用意されている色を使って画像の色を塗装していきます。
また、プリントアウトやメール送信、PDFへの出力機能もあり、このアプリだけでシミュレーションとプレゼンの両方が可能です。スマートフォンやタブレット1台ですべて完結できるため便利です。
外壁塗装で人気の色
外壁塗装では、さまざまな色の塗料で塗装するケースがありますが、そのなかでもよく使われている人気の色があります。
特に、外壁の汚れが目立ちにくく、色あせしにくい色が定番となっていて、その中から好みの色を選ぶというケースが多くなっています。
実際には、グレーや茶色、ベージュ、白といった定番の色がよく使われますが、青やオレンジ、黄色といった個性を出した色を選ぶ方もいるようです。外壁の色にはそれぞれ特徴がありますので、塗装する建物に適したものを選ぶのをおすすめします。
クリーム・ブラウン系
クリーム・ブラウン系の色は、汚れが目立ちにくいのが特徴で、外壁をきれいな状態で長く保つことができます。
クリーム・ブラウン系の色は、自然を連想させる色なので、落ち着いた印象があります。
また、周囲に溶け込みやすい色なので、周辺から目立たずにおしゃれな雰囲気を出すことができます。
他にも、飽きがこない色なので、同じ色を長く保ちたい場合におすすめです。
ただ、色としては無難なため、差別化をしたい場合や個性を出したい場合には不向きです。
クリーム・ブラウン系は間違いがない色なので、どの色にすればいいかよくわからない方は、この色を選ぶと失敗しにくくなります。
関連記事：施工事例：ブラウン・クリーム
ホワイト系
ホワイト系は色のなかで一番明るい色で、光の反射率が高く、暗い色よりも温度の上昇を防ぐ効果があります。
また、ホワイト系は膨張色でもあるため、実際の大きさよりも広がりを感じる色となっています。
ホワイト系は主張しない色なので、単色よりも他の色と組み合わせたツートンカラーにする場合に選ばれることが多くなっています。
ただ、ホワイト系にも種類が多くありますので、適当に決めてしまうと、仕上がりがイメージと違っていたということもあります。
他の部分との調和で色を決めるのをおすすめします。
関連記事：施工事例：ホワイト
グレー・ブラック系
グレー・ブラック系はシンプルな色なので人気があります。
また、汚れが目立ちにくいという理由から選ばれることも多くなっています。
ただ、グレー・ブラック系にも色の種類があるため、家屋の印象がかなり変わってしまうこともあります。
グレー・ブラック系はシンプルでモダンなイメージになり、都会的なイメージを求めている場合におすすめです。
ただ、オフィスビルなどに使われる色なので、色によっては堅苦しいイメージになる場合もあります。
その場合、他の色と組み合わせてメリハリをつけるとおしゃれな外壁になります。
関連記事：施工事例：グレー・ブラック
外壁が汚れにくい色はどんな種類がある？
外壁塗装の色には多くの種類がありますが、汚れが目立ちにくい色があります。
ここでは、外壁塗装で汚れが目立ちにくい色について紹介します。
グレー系
外壁の汚れの主な原因は、ホコリや排気ガス、苔などがありますが、これらの汚れが目立ちにくい色がグレー系です。
グレー系の色の外壁は、クールで落ち着いた印象があるため、色自体としても人気となっています。
グレー系は色のなかで最も汚れが目立ちにくい色なので、外壁塗装では特に人気があります。
ただ、グレー系にも種類があり、黒に近づくほど汚れが目立ちやすくなります。
ベージュ・アイボリー系
ベージュ・アイボリー系などの淡い色も汚れが目立ちにくい色とされています。
汚れの原因であるホコリやカビは中間色のものが多いため、ベージュ・アイボリー系の淡い色にすると汚れと一体化して見え、汚れが目立ちにくくなります。
特にホコリ（土埃・砂埃）や排気ガスの汚れが目立ちにくい色なので、畑などの土が近くにある場合におすすめです。
ベージュ・アイボリー系の色には、温かさや落ち着いた印象があります。
色としてはシンプルですが、周囲から目立たない色で飽きがこないので、無難で間違いがない色にしたい場合におすすめです。
ブラウン系
ブラウン系の色も、ベージュ・アイボリー系と同じでホコリや排気ガスの汚れが目立ちにくい色です。
特に赤土による汚れが目立ちにくいため、近くに赤土がある場合におすすめです。
ブラウン系には、重厚感や温かみがある印象があり、高級感を出すことができます。
ただ、ブラウン系は完成時の色をイメージするのが難しいため、事前にカラーサンプルなどでよく確認するようにしましょう。
塗料選びも重要
外壁塗装に使う塗料のなかには、汚れにくい塗料もあります。そのため、塗料の種類選びも重要になります。塗料としてよく使われる合成樹脂の塗料は、静電気を帯びやすいため、ホコリや汚れを寄せ付けてしまいます。
また、艶なし塗料についても、汚れがつきやすい傾向があります。逆に艶ありの塗料の場合、表面がつるつるしていて防水性があるため、汚れがつきにくくなっています。
汚れがつきにくい塗料としては、セルフクリーニング機能がある低汚染性染料が挙げられます。この低汚染性染料は、表面が親水構造になっているため、雨水が塗膜となじむことで汚れを洗い流してくれる効果があります。
外壁の汚れが気になる場合は、汚れがつきにくい塗料を選ぶようにしましょう。
関連記事：汚れやすい・汚れにくい外壁とは
外壁塗装の色選びの参考実例
ここまで、外壁塗装の色選びについて紹介しましたが、実際にどの色にすればいいか迷っている方も多いと思います。
ここでは、外壁塗装の色選びのための参考事例を色別に紹介します。
実例を見ることで、実際のイメージがわきやすくなりますので、希望するイメージと近い実例を参考にしてみてください。参考事例の色としては、グレー系、アイボリー系、ブラウン系、グリーン系、ブルー系のものを紹介します。
グレー系
グレー系は、汚れが目立ちにくいため人気の色ですが、グレーの種類を間違えると古臭く見えたり、無機質な印象を与えてしまいます。
グレー系でおしゃれな外壁にするには、光沢のあるグレーを使ってシンプルでメタリックな仕上がりにしたり、白に近いコンクリート風の外壁にしたりする事例があります。
また、グレーと白・黒を合わせたツートンカラーにすることで、おしゃれな外観にすることもできます。
アイボリー系
アイボリー系は白に近い色なので、明るく落ち着いた印象があります。主張しすぎないため、あまり目立ちたくない場合にもおすすめです。近隣の家屋と馴染ませたい場合によく使用されます。
逆に個性を出したい場合や目立たせたい場合には不向きです。
アイボリー系は単色で使用するよりも、他の色と組み合わせたツートンカラーで使われることが多く、ブラウンやベージュ、ホワイト系と組み合わせる事例が多くなっています。
ブラウン系
ブラウン系は、汚れが目立ちにくく、重厚感がある落ち着いた印象を与える色です。
ブラウン系の事例としては、周囲の樹木などの色に合わせたり、木と同じ色合いにすることで木材のような見た目にしたり、グレーに近づけることで落ち着いた印象の外観にする、といったものがあります。
また、ホワイト系と組み合わせたツートンカラーや、ブラウン系でコントラストを変えることで個性を出すこともできます。
グリーン系
おしゃれな外観にしたい場合や個性を出したい場合に人気なのがグリーン系の色です。グリーン系は自然の色なので、周囲と調和させやすいという特徴もあります。
ただ、グリーン系でも明るさに違いがあり、それぞれ与える印象が変わりますので、事前にカラーサンプルなどでよく確認するようにしましょう。
グリーン系の事例としては、白と組み合わせてさわやかな印象にしたり、ベージュと組み合わせてナチュラルな印象にしたり、ブラウン系と組み合わせることで重厚感のある印象にする、といったものがあります。
ブルー系
ブルー系は、クールな印象がある色ですが、明るさを変えることでポップなイメージから重厚感のあるイメージまで、幅広く印象が変わる色となっています。清潔感があり個性も出せるため、少し違った印象にしたい方に人気があります。
ただ、ブルー系は劣化しやすく、周囲に馴染ませるのが難しいため、注意する必要があります。
事例としては、ブルー系単色で塗る以外にも、白と組み合わせて使うものがあります。ブルー系は組み合わせが難しい色もあり、扱いが難しく失敗しやすいため、事前によく確認するようにしましょう。
外壁塗装の色選びは専門業者と相談
外壁塗装の色選びは、適当に色を選んでしまうと、施工後にイメージと違ったということになり、結果として失敗してしまうことがあります。
外壁塗装の工事は時間も費用もかかるため、失敗したから再度塗り直しということがなかなかできません。そのため、色選びは事前によく検討する必要があります。
また、外壁塗装は塗料の種類によって汚れにくさなどが異なるため、色選び以外にも塗料選びも重要になります。外壁塗装で失敗しないためにも、色や塗料選びをしっかりと考えてくれる業者を選ぶことが重要です。
こちら側の希望や提案などに、真摯に相談に乗ってくれる業者を選ぶようにしましょう。
まとめ
ここまで、外壁塗装の色選びで失敗しないためのポイントなどについて紹介しました。外壁塗装の色選びで失敗する理由には、仕上がりがイメージと違う、汚れが目立つ・色あせが目立つ、などが多くなっています。
外壁塗装の色選びで失敗しないポイントとしては、面積効果を考える、明るい色はワントーン暗めにする、暗い色はワントーン明るめにする、実際の建物を見に行く、などがあります。
外壁塗装では、汚れがつきにくい色が人気で、汚れにくい塗料もあるため、塗料選びも重要です。
外壁塗装はやり直しが難しいため、色選びはしっかり相談に乗ってくれる業者を選んで、よく検討しておこないましょう。
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