屋根の形の選び方とは?種類と値段相場・メリット・デメリットも徹底紹介!
2023.02.14更新 外壁塗装

家屋には必ず必要になる屋根ですが、屋根にはさまざまな形状や材質のものがあり、それぞれ特徴があります。
家屋を建てるときの屋根選びはデザインで決める方も多いと思いますが、屋根は種類によって機能性が異なり、それぞれメリット・デメリットがあります。
この記事では、屋根の形の名称と特徴と選び方、メリット・デメリットについてご紹介します。また、屋根形状のリフォームの値段相場や選ぶべきでない屋根についてもご紹介します。
屋根形状のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
屋根の形の名称と特徴
家屋の屋根にはさまざまな形状があり、それぞれ特徴があります。
屋根塗装や屋根のリフォームをする場合、屋根の形状によって面積に違いがあるため、同じ坪数の家屋であっても、費用が変わる場合があります。
ここでは、形状別に屋根の形の名称と特徴やメリット・デメリットを解説します。
切妻屋根(三角屋根)
切妻屋根は、日本の家屋に使われている代表的な形状の屋根で、三角屋根とも呼ばれています。
切妻屋根は、2枚の板を左右対称に合わせて作る屋根で、見た目が三角なので三角屋根とも呼ばれます。昔からある一般的な屋根ですが、現在でもよく使われている形状です。
屋根で覆われていない三角の側面部分を「妻側」、直線に見える面の部分を「平側」と呼びます。
妻側は、平側よりも紫外線や雨が当たりやすいため、劣化しやすいという特徴があります。
また、妻側の屋根の断面をおおう破風板についても、同じく紫外線や風雨などにより劣化しやすい場所で、定期的な塗装や補修が必要です。
切妻屋根(三角屋根)のメリット・デメリット
切妻屋根のメリットには、
- コストが比較的安い
- 工事、メンテナンスが簡単
- 雨や雪に強い
というものがあります。
切妻屋根は、形状がシンプルな屋根なので、工事やメンテナンスが簡単というメリットがあります。そのため、メンテナンスや補修などの工事にかかる費用を抑えることが可能です。
また、切妻屋根は左右に傾斜がある形状のため、雨や雪に強いという特徴もあります。
切妻屋根のデメリットには、
- デザイン性に乏しい
- 妻側が劣化しやすい
というものがあります。
切妻屋根の屋根がかかっていない側面部分を妻側と呼びますが、この妻側の壁は日光や雨が直接当たるため、劣化しやすい部分です。そのため、定期的に塗装や補修などのメンテナンスを行わないと、雨漏りの原因になることもあります。
また、形状が左右対称の三角になるため、デザイン性が乏しいというデメリットもあります。
差し掛け屋根
差し掛け屋根は、1階部分が2階よりも広い家でよく使われる屋根の形状で、招き屋根とも呼ばれています。また、デザインから差し掛け屋根が使われるケースが増えています。
差し掛け屋根は、他の屋根と比べてカジュアルで明るい印象の建物に適しています。
差し掛け屋根のメリット・デメリット
差し掛け屋根のメリットとしては、
- 風に強い
- 断熱性、通気性に優れている
- 太陽光発電に適している
というものがあります。
差し掛け屋根は、屋根の高さをずらして支え合う構造になっているため、風に強い形状です。また、屋根がずらしたような形になっているため、屋根裏に広いスペースを作ることが可能で、断熱性・通気性にも優れています。
さらに、屋根の面積を広くとれるため、太陽光パネルの設置にも適しています。
デメリットとしては、
- 雨漏りのリスクが高い
というものがあります。
差し掛け屋根は、低い方の屋根が外壁から直接出ている形状のため、接合部から雨漏りしやすいのが特徴です。この接合部分の雨漏り対策を行わないと、水が溜まり、雨漏りの原因になります。
寄棟屋根
寄棟屋根は、屋根の中央部分に棟があり、そこから四方向に流れる形状の屋根です。
最上部に、地上に対して水平となる大棟という部分があり、傾斜がある棟は隅棟または降り棟/下り棟と呼ばれています。切妻屋根と同様に、多くの建物で使われています。
瓦屋根でもよく使われる形状で、周囲に馴染みやすく落ち着きのある印象が特徴です。
寄棟屋根のメリット・デメリット
寄棟屋根のメリットには、
- 風に強い
- デザイン性が高い
というものがあります。
寄棟屋根は、四方向から寄せて支え合う構造となっているため、風に対する耐性が強くなっています。台風や嵐に強いため、日本の気候に適している構造です。
また、周囲に馴染む形状でデザイン性が高いのもメリットの1つです。
寄棟屋根のデメリットには、
- メンテナンス費用がかかる
- 雨漏りのリスクがある
というものがあります。
寄棟屋根は、屋根に降った雨水が四方向に流れますが、この際に大棟と降り棟の取り合い部分で雨漏りが発生しやすいのがデメリットです。
構造上雨漏りのリスクが高いため、定期的にメンテナンスをする必要があります。
片流れ屋根
片流れ屋根は、片方にのみ流れる構造の屋根で、ちょうど切妻屋根を半分に切ったような形状となっています。形状が直線的な屋根なので、スタイリッシュなデザインの建物や洋風の建物によく使われています。
デザイン性が高く、屋根裏の空間が確保しやすいのが特徴です。片流れ屋根の頂上にある平らな部分は棟と呼ばれています。
片流れ屋根のメリット・デメリット
片流れ屋根のメリットとしては、
- コストが低い
- デザイン性が高い
- 太陽光発電に適している
というものがあります。
片流れ屋根は、形状がシンプルなので工事が比較的簡単という特徴があり、コストを低く抑えることができます。
また、デザイン性が高く、スタイリッシュな建物などに適しています。
一方向にのみ傾斜する形状なので、屋根の面を南向きになるように設計すると、太陽光パネルを設置しやすくなります。
片流れ屋根のデメリットには、
- 雨漏りのリスクが高い
というものがあります。
片流れ屋根は、形状から一つの面に雨が集中する構造となっています。屋根の下側が1ヶ所のみなので、雨樋も1ヶ所しかありません。
そのため、大雨になると1つの雨樋に雨水が集中して流れるため、雨水があふれてしまうことがあります。
また、屋根がかかっていない方の壁は、風雨が直接当たるため劣化しやすく、雨漏りのリスクが高くなります。
方形屋根
方形屋根は、屋根の1ヶ所が頂点となっていて、そこから四方向に流れる形状の屋根で、四角錘に似ています。ちょうど寄棟屋根の大棟の部分がない形状の屋根です。
主に正方形に近い形状の建物で使われます。ただ、日本では正方形の建物が少ないため、方形屋根はあまり使われていません。
デザイン面では、下から見上げると、屋根が三角形に見えるため、温かみが感じられるのが特徴です。
方形屋根のメリット・デメリット
方形屋根のメリットとしては、
- 風に強い
というものがあります。
方形屋根は、四方向から支え合う構造になっているため強度が高く、風に強くなっています。そのため、台風や嵐に強く、日本の気候に適している屋根の形状です。
方形屋根のデメリットとしては、
- 屋根の内側に湿気がたまりやすい
- 太陽光発電に不向き
というものがあります。
方形屋根は、棟がない構造のため、雨漏れのリスクが低い反面、屋根の内側に湿気を逃がす場所がないため、屋根の内側に湿気がたまりやすくなっています。そのため、劣化していないか定期的に注意が必要です。
また、全ての屋根の面が三角形になるため、太陽光パネルが設置しにくくなっています。
屋根の形の選び方
ここまで、さまざまな屋根の形状について解説しました。それぞれの屋根の形状には特徴があり、メリットとデメリットがあります。
屋根の形の選び方については、基本的にはデザインで決めても問題ありませんが、建物の形状によっては選ぶことができる屋根の種類が決まってしまう場合があります。
また、太陽光パネルの設置を検討しているのなら、1つの屋根の面積が広い形状のものがおすすめです。
他にも、コストや雨漏りのリスクについても検討しておく必要があります。デザイン面でも、周囲の景観にある程度合わせる必要もあるため、お住まいの地域などに合わせて決めるようにしましょう。
屋根形状のリフォームの値段相場
屋根の形状はリフォームすることで変更が可能です。
ただ、屋根形状のリフォームは大掛かりな工事になるため、費用は高額になる傾向があります。
屋根形状のリフォームの値段相場は、約200万円〜700万円が一般的です。この費用は、屋根の形状によって異なるため、相場にはかなり幅があります。
変更する屋根の形状や作業内容の詳細が決まっていれば、費用の幅を絞り込むことが可能です。
それぞれの屋根の形状別の費用の相場としては、
切妻屋根への変更が約400万円〜500万円、
寄棟屋根への変更が約500万円〜600万円、
片流れ屋根への変更が約300万円〜500万円
となっています。
屋根のリフォームは、形状を変えず勾配のみ調整するという方法もあります。
屋根の勾配を変更するリフォームの値段相場は、 約200万円〜600万円となっています。
また、屋根のリフォームでは、屋根塗装も重要です。屋根は日光や雨などにより劣化するため、定期的に塗装する必要があります。
屋根塗装の相場は、屋根の種類や面積によって変動がありますが、約25万円~40万円となっています。
ここまで費用の相場を紹介しましたが、実際の費用は家屋の状況によって異なるため、業者に見積りをとって確認するようにしましょう。
関連記事:相見積もりで分かる業者選びのポイントと見積もりの見方
やってはいけない屋根の形は
自分の家を建てるため、屋根にはこだわりたいと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、例え自分の家であっても、やってはいけない屋根の形があります。
屋根には建築基準法により、いくつかの制限があり、屋根はその制限の範囲内で設計することが必要です。
建築基準法により定められている制限として、
- 隣地斜線制限
- 絶対高さ制限
- 北側斜線制限
- 道路斜線制限
があります。
隣地斜線制限とは、隣地の日当たりや風通しを確保するための制限で、隣地の境界線からの距離により、屋根の高さと勾配が制限されています。
絶対高さ制限とは、一般的な住宅は建物の高さが10mまたは12mまでに制限されています。
北側斜線制限とは、北側の隣地の日照を確保するための制限で、北側の隣地の境界線からの距離により、屋根の高さと勾配が制限されています。
道路斜線制限とは、隣接する道路の採光や風通り、見通しを確保するための制限で、道路に面する建物の一定部分の高さが制限されています。
建築基準法による制限の他にも、屋根によっては内部に湿気がたまりやすいものや、雨漏りのリスクが高いものがあります。雨がよく降る地域などでは、雨漏りのリスクが高い屋根は適していません。
このように、その地域の気候も屋根の形を決める要因となっています。
関連記事:屋根の勾配って何で決まるの?
おしゃれな屋根の形をご紹介
ここまで、屋根の形状の種類についてご紹介しましたが、実際にどのような外観になるかイメージしにくいかもしれません。
ここでは、実際の建物からおしゃれな屋根の形状をご紹介します。屋根の形状のリフォームなど検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
シンプルモダンなデザインのおしゃれな屋根
最初にご紹介するのは、シンプルモダンなデザインの屋根です。屋根の形状としては、切妻屋根になりますが、形状が左右対称ではなく、招き屋根に近くなっています。
切妻屋根はよく使われる屋根なので、デザイン性に乏しいというデメリットがありますが、左右非対称にするだけで、おしゃれな屋根にすることができます。
この実例では、屋根塗装と外壁塗装をツートンカラーで行うことで、シンプルモダンなデザインにしています。
この屋根の形状は、すべての建物で取り入れられる訳ではありませんが、よく使われる切妻屋根を少し変更することで実施できますので、参考になるかもしれません。
掲載画像記事:高崎市中尾町K様 外部木部塗装
温かみのある印象をあたえるおしゃれな屋根
次にご紹介するのは、温かみのある印象をあたえるおしゃれな屋根です。屋根の形状としては、一般的な左右対称の切妻屋根です。
ただ、屋根瓦をグリーンにし、外壁をホワイトとブラウンのツートンカラーにするなど、色合いで温かみがある印象を与えています。
屋根の形状変更のリフォームは大掛かりになり工事費用もかかりますが、塗装などで工夫することでも屋根の印象を変えることができます。
屋根や外壁の色は周囲との兼ね合いもあるため、完全に自由に色を決めることは難しいですが、色を工夫することで屋根をおしゃれにすることが可能です。
屋根や外壁の色はシミュレーションツールなどがあるため、事前に色を試してみてください。
掲載画像記事:高崎市中尾町H様 アステックペイントの低汚染遮熱フッ素塗料仕様の外壁塗装工事
落ち着きのあるおしゃれな屋根
最後にご紹介するのが、落ち着きのあるおしゃれな屋根です。屋根の形状としては、寄棟屋根となっています。寄棟屋根は、切妻屋根と同様に日本の家屋でよく使われている屋根の形状です。
この実例では、寄棟屋根を組み合わせた形状となっています。屋根の形状としては比較的シンプルですが、屋根塗装と外壁塗装の色を調整することで、落ち着きがある印象にしています。
同じ寄棟屋根でも、形状を組み合わせることでおしゃれな屋根にすることが可能です。
掲載画像記事:太田市場町Y様 最高峰の無機クリヤー塗料を使用した外壁塗装工事
まとめ
ここまで、屋根の形状の種類と特徴、選び方とリフォームの費用相場についてご紹介しました。屋根の形状にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。
メリットとしては、コストが抑えられる、太陽光パネルの設置に適している、風に強い、などがあり、デメリットとしては、デザイン性が低い、雨漏りのリスクが高い、などがあります。
屋根の形状はデザインだけでなく、風に強い、雨漏りのリスクが高いなど、気候の影響も考慮した上で検討してください。
また、建築基準法で定められた制限もあるため、その範囲内で選ぶ必要があります。
屋根の形状はリフォームで変更することができますが、大掛かりな工事になるため費用がかかります。
一般的な費用の相場はありますが、実際の費用は建物や工事内容により異なるため、まずは業者に見積りを依頼するようにしましょう。
屋根のリフォームをご検討の際は、ミヤケンまでご相談ください。
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