下塗り材にも種類がある!シーラーとプライマー・フィラーの違いとは?
2023.01.06更新 塗料の基礎知識
お家の塗り替えを検討するなかで「どのくらいの費用か」「耐久年数は?」「仕上がりはどんな感じ?」など塗料選びの基準は人によって様々です。
今回は一番最初に塗装をする下塗り材についてご紹介します。上塗り材だけでなく塗装の耐久性を左右する大事な塗料です。
これから塗装を検討されている方はぜひ参考にしてください。
目次
■下塗り材「シーラー」と「プライマー」・「フィーラー」の違いとは
外壁塗装では一般に下塗り材・上塗り材の2種類の塗料を使用します。
上塗り材は遮熱性能や断熱性能などの付加価値の付いた塗料です。聞きなじみのある「シリコン塗料」や「フッソ塗料」なども上塗り材の1つです。
耐久性や仕上がりからお客様の好きな塗料を選ぶことが出来ます。
一方、下塗りは外壁との密着を高める接着剤の役割がある塗料です。
多種多様な塗料の中から1つを選ぶ上塗り材と比較すると種類は少なく、大きく分けて「シーラー」と「プライマー」、「フィラー」の3種類があります。
上塗り材によっては指定の塗料もありますが、多くの塗料は外壁材によって選定方法が変わります。それでは各下塗り材の特徴についてみていきましょう。
シーラー
主にサイディングに使用される下塗り材です。「seal(密閉する)」という意味があります。
塗装を行う面の塗料の吸い込みを抑えて、吸い込みを均一化して塗装ムラを防止する役割があります。
粘度が低くく、さらさらとした塗料です。塗膜を薄くつけることが基本です。作業効率がよいのが特徴のひとつです。
プライマー
「primer(最初)」という意味があります。シーラーと同じ意味で使っている塗料メーカーもありますが、施工箇所が異なります。
プライマーは鉄やステンレスなどの金属に使用します。塗料が吸い込むことのない素材と上塗り材の密着を良くする効果があります。
中にはサビ止めとして使用するプライマーもあります。
フィラー
主にモルタルやALCに使用される下塗りです。「filler(埋めるもの)」という意味があります。
シーラーに比べ、粘度が高いのが特徴です。塗膜の厚みを付けて塗装をするため細かなひび割れであれば凹凸を円滑にならすことが出来ます。
さらに塗膜に弾性を持たせる効果があります。
■使い分けを間違えるとどうなるの?
どちらの塗料も下塗りの役目は一緒ですが、適切な場所に塗装をしないと早期にはがれてしまうなどの不具合につながります。
特にサイディングにフィラーを使用すると塗膜の膨れやはがれてしまう可能性が高くなります。
下塗り材は上塗り材で塗り重ねるため、間違っていても後から確認するのは難しいのです。
そのため、お客様も見積り書などを確認することが必要です。
■正しい下塗りで工事をするためにできること
まず見積もりを取るときは必ずご自宅を調査してもらいましょう。
どの下塗り材が適切かどうかの判断をするためには今のお家の状態を専門スタッフが実際に確認する必要があります。
「○○坪のお家なら均一○○万円」という広告も目にしますが、実際には下塗り種類によって1缶の金額は異なりますし、使用する缶数もお家の面積によって異なります。
同じ坪数のお家であっても外壁材が違えば、1軒あたりの工事金額は異なるのです。さらに状態によっては下塗り前にひび割れ補修などの下地調整が必要です。
次に、見積り書に塗料名が明記されているか確認しましょう。
塗装工事の正しい知識があれば一度、現場を確認すればどんな塗料がそのお家に合っているかが分かります。
そのため、もしサイディングのお家で下塗りのところにフィラーと書いてあれば「どうしてこの下塗りを使用するのですか?」と聞いてみたほうがよいでしょう。
■上塗り材で隠れてしまう下塗り材の選定も慎重に
下塗り材の「シーラー」「プライマー」「フィラー」は使用する素材によって使い分けが必要です。
適切な部位に適切な下塗りを塗ることで塗膜を長持ちさせることが出来ますが、誤った下塗り材を塗ってしまうとどんなによい上塗り塗料を使用しても長持ちしません。
塗装後、3年以内に塗膜の膨れや剥がれにつながる可能性もあるのです。
とはいえ、工事中に最初から最後までつきっきりで作業を確認できるわけではありません。
依頼をした業者を信頼して任せるためにも下塗り材に種類があり、使い分けが必要なことを理解しておきましょう。
さらに見積り書の取り方や見積り書に記載があるかどうかで信頼できる業者を選びましょう。
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