外装の種類別に見分け方を紹介!
2025.01.17更新 お家の部材の基礎知識

家を長持ちさせるためには、外壁のタイプに合ったメンテナンスを施すことが大切です。 しかし、古くからある家で建築時の資料がないなど、何らかの事情で家の外壁の素材がわからない場合にはどうすればよいでしょうか。 この記事では外壁材の種類の見分け方、さまざまな外壁材の特徴についてご紹介します。 適切なメンテナンスをして、快適な家を長持ちさせましょう。
目次
外壁材の種類
外壁の素材にはさまざまなものがあります。
- 窯業系サイディング
- 金属系サイディング
- モルタル
- ALCパネル
- 木材
- 漆喰
- 土壁
- タイル
窯業系サイディング、金属系サイディング、ALCパネルは板状の外壁材を下地に貼り付けるタイプです。木材は、薄く加工した木材を下地に貼り付けていきます。モルタル・漆喰は原料を混ぜてペースト状に練り上げたものを塗りつけていく方式です。 それぞれの外壁材の特徴は、後の章で詳しく説明します。
外壁を見分ける方法
外壁を見分けるには、どんな方法があるでしょうか。ここでは、比較的シェアが高い窯業系サイディング・金属系サイディング・モルタル・ALCの4つの見分け方をご紹介します。
ステップ①目地の有無を確認する
まずは、目地があるかどうかを調べます。目地とは、パネルになっている外壁材同士のつなぎ目のすき間をコーキング材で埋めてある部分を指します。 窯業系サイディング・金属系サイディング・モルタル・ALCの中で目地があるのが窯業系サイディングまたはALCです。 窯業系サイディングやALCパネルはコンクリートが主原料として使われており、衝撃や歪みで割れたり欠けたりしやすいという性質があります。この性質による外壁の破損を防ぐため、外壁パネルを施工する際にはパネルに余計な負荷がかからないよう、外壁パネル同士の間に適度にすき間を空けて張り付けていく必要があるのです。このすき間から雨などが入り込むのを防ぐためにコーキング材などを注入してすき間を埋めます。そのため、窯業系サイディングやALCパネルが外壁材として使われている場合には目地があります。 コーキングの部分は押すとゴムのような手触りがするので感触でもわかるはずです。コーキングが劣化しているとゴムのような弾力がない場合もありますが、その場合は見た目からも劣化していることがわかります。 金属系サイディングの場合には、目地はあるもののさほど目立ちません。シンプルな金属のスタイリッシュさを活かした仕上がりなので、見た目からもわかりやすくなっています。 また、モルタルの場合には下地にペースト状の塗料を塗りつけていくので、目地はありません。そして、砂や石灰を混ぜて作られているため粗い質感です。
ステップ②目地の方向と位置を確認する
目地があった場合には、目地の方向と位置を確認しましょう。 窯業系サイディングの目地は水平方向にしかありません。窯業系サイディングでは、垂直方向にパネル同士を圧着でつなぐためです。 また、一部例外はあるものの住宅に使われる窯業系サイディングのほとんどが高さ3030mmです。なるべく目地を少なくするために、パネルのサイズを最大限に活かすケースが多く、窯業系サイディングの目地は高さ3m付近にあることが多いです。 一方のALCは、水平方向・垂直方向どちらの場合にも接着面にコーキングを入れるため目地があります。垂直方向に目地がある場合にはALCの可能性が高いです。
ステップ③横幅の大きさを確認する
パネルの横向きのリピート幅の大きさからも判断が可能です。 窯業系サイディングは幅455mmのものが主流です。なるべく接着面を減らすために多くの場合幅を最大限に使いますので、45センチくらいの間隔で同じ模様がリピートされていれば、窯業系サイディングの可能性が高いです。 ALCは幅300mmから600mmのものが多いです。
ステップ④横幅の厚みを確認する
窯業系サイディングとALCでは外壁材の厚みも異なります。窯業系サイディングは厚いものでも18mm程度なのに対し、ALCは薄いもので35mmとかなりの厚みがあります。
ステップ⑤叩いた感覚と音を確認する
見た目の他に、叩いた時の感覚や音からも外壁材の種類を判断することができます。 金属系サイディングは叩くと金属音がするのに対し、窯業系サイディング、ALC、モルタルはこもった音がします。
外壁の種類別の特徴
外壁にはいろいろな種類がありますが、どのような特徴があるのでしょうか。
窯業系サイディング
窯業系サイディングは、セメントを主とした原材料を高温で熱し板状の外壁材にしたものです。近年の外壁材の7割強のシェアを占めています。
費用相場 | 4千円〜6千円/㎡ |
耐用年数 | 20〜30年程度 |
メンテナンス周期 | 7~15年程度 |
メリット | ・耐火性に優れている
・デザインや色展開が豊富 ・施工がしやすい |
デメリット | ・蓄熱性があるため熱がこもりやすい
・コンクリートが主原料のため重量があり耐震性に不安がある ・耐水性がない |
金属系サイディング
金属系サイディングは、断熱材の表面に金属メッキを施した外壁材です。外壁材としては軽いのが特徴です。
費用相場 | 3千500円〜7千円/㎡ |
耐用年数 | 20年〜40年程度 |
メンテナンス周期 | 10年〜15年程度 |
メリット | ・断熱効果が高い
・防音性が高い ・リフォームの際カバー工法に使うことで外壁に空気層を作ることが可能 ・メンテナンス周期が長い |
デメリット | ・施工業者が限られる
・傷つきやすい |
モルタル
モルタルは、セメントと砂、水を練り合わせて作ったペースト状の塗装材を、外壁の下地に塗りつけていくタイプの外壁です。基本的には新築住宅を建てる時に選択される外壁です。
費用相場 | 1千500円〜5千円/㎡(塗装費用のみ) |
耐用年数 | 30年以上 |
メンテナンス周期 | 5〜10年程度 |
メリット | ・デザインの自由度が高い
・防火性が高い ・継ぎ目がない |
デメリット | ・ひび割れしやすい
・凸凹のあるデザインにすると汚れやカビ・コケがつきやすい ・職人の技術力によって仕上がりが左右される |
ALCパネル
コンクリートに発泡剤を混ぜることで細かい気泡を含んだ軽い素材ができます。これが、ALCです。
費用相場 | 7千円〜1万5千円/㎡ |
耐用年数 | 60年以上 |
メンテナンス周期 | 10年程度 |
メリット | ・軽いため耐震性に優れる
・断熱性が高い ・耐火性が高い ・遮音性が高い ・調湿性に優れる |
デメリット | ・防水性がない
|
木材
あたたかみが感じられる素材である木材。木材をそのまま外壁材として使うことができます。
費用相場 | 7千円〜1万3千円/㎡ |
耐用年数 | 20年以上 |
メンテナンス周期 | 5年〜10年程度 |
メリット | ・高級感のある外見になる
・経年変化を楽しむことができる ・商品が廃盤になる恐れがない |
デメリット | ・価格が高い
・防火規制のある地域では使えないこともある |
漆喰
漆喰の壁は調湿効果に大変優れており、「呼吸する壁」と呼ばれたりもします。 漆喰は、モルタルと似ていますが、モルタルの原料はセメント、砂、などなのに対して漆喰は石灰が原料、遠い昔にサンゴだったものが石灰かしたものが原料です。
費用相場 | 6千円〜7千500円/㎡ |
耐用年数 | 100年以上 |
メンテナンス周期 | 10年〜15年程度 |
メリット | ・独特の風合いがある
・職人が塗るためデザインにオリジナリティが持たせられる ・防カビ性に優れている ・経年変化を楽しむことができる ・メンテナンスが楽 |
デメリット | ・価格が高い
・施工できる職人が少ない ・傷やひび割れが目立ちやすい |
土壁
土壁とは、土に藁や砂を混ぜて水で練ったものを塗り固めた壁を指します。耐火性に優れ、江戸時代には多くのお城や建物に使われましたが、施工できる職人があまりいないことから近年はシェアを落としていました。しかし、その機能性の高さが見直されて最近また注目を浴びています。
費用相場 | 1万1千円〜1万5千円/㎡ |
耐用年数 | 45年以上(海外では築400年、500年の建物が今も健在) |
メンテナンス周期 | 特になし(ただし、定期的に点検してもらうことをおすすめ) |
メリット | ・昔ながらのあたたかみのあるデザイン
・断熱性が高い ・防火性が高い ・脱臭作用がある |
デメリット | ・価格が高い
・施工できる職人が少ない ・ひび割れが起こる可能性がある
|
タイル
タイルは、土や粘土を高温で焼き固めたもので、外壁に使用する場合にはモルタルや接着剤などを使用して下地に貼り付けていきます。
費用相場 | 1万円〜5万円/㎡ |
耐用年数 | 30〜50年程度 |
メンテナンス周期 | 10〜15年程度 |
メリット | ・高級感がある
・サイズや色、柄のバリエーションが豊富 ・外壁塗装の必要がない ・耐用年数が長い |
デメリット | ・施工に時間がかかる
・職人の腕によって仕上がりが左右される
|
外壁材の種類が分からない場合の対処法
外壁材の種類が分からない場合には、上でご紹介した見分け方を試してみましょう。 それでもよく分からないという場合には、お近くのリフォーム専門業者や外壁塗装専門業者を呼びましょう。 プロの手にかかれば、その建物が何を使用して建てられたのかはすぐにわかります。そのまま一緒にどんなメンテナンスが必要かのアドバイスを受けたり、見積もりを出してもらったりすることもできるので、「外壁のメンテナンスを考えてはいるけれど、何をどうしたらいいのか全く分からない」という人はお近くのリフォーム専門業者や外壁塗装専門業者に問い合わせてみるのがおすすめです。 近くに信頼できるリフォーム専門業者や外壁塗装専門業者を見つけておくと、急なトラブルの時にも安心です。
外壁の種類を見極めて適切なメンテナンスを
今回は、外壁材の種類の見分け方、さまざまな外壁材の特徴についてご紹介してきました。 一口に「外壁」と言ってもいろいろな種類があること、それぞれに持つ雰囲気も違えばメリット・デメリットも異なることがお分かりいただけたのではないでしょうか。 適切なタイミングで適切なメンテナンスをしていくことが、家を長持ちさせる秘訣です。家の外壁が何でできているのかを知り、適切にメンテナンスをすることで、快適な住環境を長持ちさせていきましょう。
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