スレート屋根のメンテナンスをしないとどうなる?塗装工事の目安と「タスペーサー」の必要性
2021.03.16更新 塗装工事の基礎知識
近年、スレート屋根のお家が増えてきました。
スレートとは粘土板岩を使用した建築材料全般のことを指し、これを使用した薄い板状の屋根をスレート屋根と呼びます。
製造メーカーによってコロニアルやカラーベストと呼ぶこともあります。
スレート屋根のメンテナンスは新築から10年前後ですが、メンテナンスをしなかったらどうなるのでしょうか?
そこで今回はスレート屋根のメンテナンスと塗装工事の目安についてご紹介します。
目次
スレート屋根の劣化症状
新築時は工場で吹き付けをした塗装により屋根表面の防水性(撥水性)を保っています。
しかし紫外線の影響を受け続けることによって、築10年前後から徐々に塗膜が劣化し色褪せが起こります。
色あせが進むと屋根材表面の撥水性が低下しますので、雨など水分を屋根材が吸い込みやすくなります。
南面では吸い込んだお水は日中には蒸発しますが北面など日の当たらない屋根では常に湿気ている状態になることでコケや藻(も)が発生します。
そのため1軒のお家であっても屋根の方角によって劣化の状況は大きく異なります。
メンテナンスを怠るとどうなるの?
目に触れる機会の少ない屋根はメンテナンスが後回しになりがちです。
では実際にメンテナンスを怠るとどのような悪影響があるのでしょうか。
雨漏りする
屋根材は表面の塗装によって防水性を高めていますが、防水性が低下することにより屋根材自体がお水を吸い込みやすくなります。
吸い込んだお水が冬場のマイナス気温下で凍結し、昼間の温かさで溶ける状況を繰り返すことで屋根材自体の強度が弱くなってしまうのです。
そこに台風や竜巻などの自然災害による飛来物が屋根材に当たり、屋根材が欠けやすくなります。
屋根が欠けたとしてもスレート屋根材の下には防水シートが施されているため、ある一定の期間はお家の中へお水は入りません。
とはいえ、防水シートも次第に劣化していきます。防水シートが破断することにより最終的に雨漏りにつながります。
雨漏りになってしまうとお家の躯体を傷める原因になるため避けたいものです。

メンテナンス費用が高額になる
屋根のメンテナンスの中で一番安価なのが塗装工事です。
しかし、どんな状況のお家でも塗装ができるというわけではありません。
屋根材の劣化があまりに著しく、塗装をしても長持ちしないと判断した場合には施工をお断りしています。
経年劣化にかかわらず、塗装に不向きな屋根材もあります。詳しくはこちらの記事も合わせてご確認ください。
塗装が難しい場合は既存の屋根材の上に新しい屋根材を施工するカバールーフ工法をお勧めしています。
カバールーフ工法の場合、塗装工事の費用の1.5倍ほどと高額になるためリフォーム費用を抑えたい方は早めにメンテナンスを検討したほうがよいでしょう。
早めに屋根のメンテナンスを検討するメリット
屋根の劣化に対して早急に対処することでメリットもあります。
余計な修繕費用を抑えることができる
まずお見積りの時に屋根の状況を確認するため屋根の異変にいち早く気が付くことができます。
そのため、築10年前後に検討するのが好ましいです。
色あせやコケの発生などの経年劣化の状況はもちろん、屋根材の欠けや板金の浮きなども早急に対処することで雨漏りを未然に防ぐことにつながります。
雨漏りしてしまうと原因の特定が難しく、修繕までに費用や時間がかかることがあります。
状況がひどくなる前に修繕をすることがトータルコストを抑えることにつながります。
屋根全体の防水性を向上させることができる
塗装を行うことで表面の撥水性が向上します。さらに屋根の下塗り材には屋根材を補強する役割があります。
そのため屋根材自体の寿命を延ばすことができます。スレート屋根はデザイン性や耐震性に優れているため長い間使い続けることのできる屋根材です。
お家の劣化状況に応じて適切な時期に工事をするようにしましょう。
屋根塗装の目安とは?
スレート屋根の場合、築10年前後で塗装を行うのが好ましいでしょう。
先述したとおり、1軒のお家でも屋根の方位によって劣化の状況は異なります。
特に北面などの日陰になる面は劣化が早く進みますので、北面の屋根の状況によって判断しましょう。
また築年数にかかわらず、台風や竜巻などの自然災害によって屋根材に異常があった場合は雨漏りの危険性があるためすぐに専門業者へ相談しましょう。
火災保険で修繕費用を抑えることができます→合わせてお読みください。
スレート屋根の塗装に欠かせない「タスペーサー」・「縁切り作業」
「塗装をしたら雨漏りになった」というケースは少なからずあります。
雨漏りしないためにも必ず確認してほしいお見積り項目が「タスペーサーの取り付け」です。タスペーサーは「雨漏り防止器具」ともいわれます。
名前の通り、スレート屋根の雨漏りを防止する器具です。器具と言っても5センチほどのプラスチック製の軽量なものです。
タスペーサーを下塗り材を塗った後のスレート屋根材1枚(約90センチ)につき2個取り付けます。※スレートの形状によって取り付け数は異なります
タスペーサーを取り付けることで屋根材と屋根材の間に隙間を作り、毛細管現象によって屋根材の裏側にお水が回ることを防ぎます。
毛細管現象とは液体(水)が細い管状の中を上昇する物理現象のことを言います。
毛細管現象についてはこちらの動画で詳しく解説しています。
ほかにも「縁切り」という作業もタスペーサーと同じ役割があります。
縁切りは塗装工事が完了したあとに一枚一枚カッターを入れて隙間を作ることから、手間と費用がかかるという理由で行う業者は少なくなっています。
タスペーサーが不要な屋根もある
雨漏りをしないために取り付けるタスペーサーですが屋根の形状によっては取り付けない場合もあります。
タスペーサーを取り付けない業者=悪い業者というわけではありません。
屋根の現状からタスペーサーが不要なのか、業者の見積りの漏れなのかを判断しましょう。
①屋根材が反っている
タスペーサーを取り付ける目的は屋根材との間に隙間をつくることです。
経年劣化の1つの屋根材の反りにより4mm以上の隙間がある場合は塗装を行っても隙間が埋まることはありません。
無理に取り付けてもすぐに落ちてしまいます。
1軒のお家によっても屋根の劣化状況が異なるため北面はタスペーサーを取り付ける、という場合もあります。
専門業者に屋根の状況を写真などで確認させてもらうとよいでしょう。
②屋根の勾配が急な場合
6寸勾配以上の急勾配の屋根は水はけがよく、塗料がたまりにくいことからタスペーサーは不要です。
屋根足場が必要な勾配が6寸のためお見積り書から屋根足場があるかないかで判断するのがよいでしょう。
まとめ
スレート屋根のメンテナンスは避けられないものですが費用もかかることから後回しにしがちです。
さらに屋根は毎日見ることができないため、気が付かないうちに自然災害の影響を受けていることもあります。
異変にいち早く気がつき、修繕することがお家を長持ちさせメンテナンス費用の軽減につながります。
まずは、築10年を過ぎたら一度メンテナンスを検討することをお勧めします。
またスレート屋根を塗装をするときに注意したいのがタスペーサーの取り付けです。
屋根の状況によって取り付けない場合もありますので専門業者に屋根を点検してもらったときに必要かどうかを確認してもらうようにしましょう。
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