マンションの大規模修繕工事における足場単価を解説!
2024.10.22更新 大規模修繕工事

マンションの美観や耐久性、資産価値を守るためには、一定の周期で大規模修繕工事の実施が欠かせません。大規模修繕工事を行う際は、作業員の安全性や作業効率を高めるために必ず足場を設置します。ここで気になるのは「足場の設置にかかる費用」ではないでしょうか。
今回は、マンションの大規模修繕における足場単価を解説します。費用を抑えるポイントや足場を設置する上で注意したいことについてもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
目次
なぜ足場は必要なのか
マンションの大規模修繕では必ずといっていいほど足場を設置します。ではなぜ足場は必要なのでしょうか。ここでは、足場が必要な理由を3つ紹介します。
作業員の安全を確保するため
足場を設置する一番の目的は、作業員の安全を確保するためです。マンションの大規模修繕工事は高所作業が伴います。はしごやロープなどで高所作業を行うと転落事故が起きる危険性が高まるため、足元の安全を確保するために足場を設置します。作業員がケガをすると人員不足になるのはもちろん、工期にも遅延が発生しかねません。現場を任せられている責任者には安全配慮義務違反として、損害賠償の責任を負う場合があります。
そのため高さ2メートル以上の現場では、足場の設置義務が労働安全衛生規則によって定められています。
効率的に作業を進めるため
足場を設置すると足元のバランスがとりやすくなり、高所での移動もスムーズになるのが利点です。バランスがとれると手元の作業にも集中でき、丁寧な施工が実現できるでしょう。工事がスムーズに進めば工期が長引く不安もなくなるため、オーナー様や住民にとってもストレスの少ない大規模修繕工事になるはずです。
近隣住民や通行人に対するトラブルや事故を防ぐため
大規模修繕工事では、騒音が発生するのはもちろん、ホコリや砂などが飛散します。これらは近隣住民や通行人に多大なる迷惑がかかるので、双方が気持ちよく物事を進めるためにも対策が必要です。足場を設置すると骨組みにメッシュシートや防音シートを取り付けることができ、騒音や被産物による被害を軽減できます。万が一、作業中に工具や資材を落としても足場外に落ちることを防げるため、通行人がケガをするリスクも少なくなるでしょう。
マンションの大規模修繕工事における足場費用の相場
ここでは、マンションの大規模修繕工事における足場費用の相場単価と計算方法を解説します。設置にかかる期間についても紹介しているため、あわせてご確認ください。
足場の種類と㎡単価
足場の設置にかかる費用単価は、足場の種類によって変動します。種類ごとの費用単価は以下にまとめました。
足場の名前 |
単価相場 |
枠組足場 |
1,000〜1,500円/㎡ |
単管足場 |
500〜800円/㎡ |
クサビ緊結式足場(ビケ足場) |
800〜1,200円/㎡ |
吊り足場 |
3,500円/㎡〜 |
上記にあわせて、養生シートの設置費用150〜200円/㎡がプラスでかかると考えておくとよいでしょう。ただし、養生シートの費用を取るかどうかは施工会社によって異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
足場費用の計算方法
足場費用を具体的に知りたい場合は、計算方法を活用してみましょう。足場の費用は「足場架面積×足場単価=足場費用」で求めるのが一般的です。足場架面積は「(マンションの外周+8メートル)×高さ」で算出できるため、まずは足場架面積を求めてみましょう。そこに前述した足場単価をかければ、足場の総費用がわかります。
足場の設置にかかる目安期間
足場の設置にかかる期間は、マンションの規模によって異なります。規模が大きくなるほど幅や高さが大きくなるため、設置に時間がかかることも少なくありません。以下に規模ごとの設置期間の目安をまとめました。
規模 |
設置にかかる日数 |
小規模マンション(50戸未満) |
10〜20日間 |
中規模マンション(50〜100戸未満) |
15〜30日間 |
大規模マンション(100戸以上) |
1ヶ月〜(状況によって変動) |
足場費用を抑えるには?
足場が必要なのはわかったものの、なるべく費用を抑えたいと考える方も多いでしょう。ここでは、足場費用を抑える方法を解説するため、試せるものがないか確認してみてください。
複数の業者に見積もりを依頼する
足場の種類が範囲などが同じでも、業者によって提示価格は異なります。そのため、まずは複数の業者に見積もりを依頼して価格を比較してみましょう。価格を比較することで、足場費用が安い業者を見つけられるかもしれません。なお、見積もりを依頼する際は3社程度で抑えておくことをおすすめします。依頼先が多すぎると情報が混雑したり見積もり価格の期限を過ぎてしまう可能性があるからです。
また、見積もりを比較する際は内訳にも目を向けるようにしましょう。業者のなかには、解体費用や諸経費などを含めずに提示し、後から請求してくる場合があります。内訳を確認し、不明な点があれば直接聞くようにしましょう。
施工業者の選定を管理会社だけに任せない
マンションの大規模修繕工事の依頼先は、管理会社や管理組合が決めます。施工業者の選定には時間や手間がかかりますが、足場費用を少しでも抑えたい場合は施工業者の選定を管理会社に丸投げしないようにしましょう。管理会社に任せっきりにすると割高な施工業者に依頼してしまうことも少なくありません。ここは管理組合が積極的に施工業者選びの場に立ち会って、妥当な金額を提示する施工業者を選びましょう。
足場が必要な修繕は一度でやりきる
足場費用を抑える方法として、外壁や屋根、バルコニーなどの修理をまとめて行うのも一つです。マンションにおいて足場が必要な工事は複数あります。箇所によって修理のタイミングは異なりますが、都度足場を設置すると費用も手間もかかって損するかもしれません。しばらく修理ができておらず、劣化が目立つようになっていれば、まとめて修繕するのが長期的に見るとお得になるでしょう。
無足場工法を選択する
現場の状況によっては、足場を設置しない無足場工法を選ぶことも可能です。無足場工法なら足場費用がかからないため、大幅に費用を浮かせられるでしょう。無足場工法とは、屋上にクレーンを設置して作業デッキや作業員をロープで吊るす方法のことです。主に、足場を組むのが難しい高層マンションや外壁の簡単な修繕時に採用されています。
足場設置から解体までの流れ
ここでは、足場の設置から解体までの流れを解説します。流れを把握していくと今どこまで終わっているかがわかるようになるため、チェックしていきましょう。
管理組合や近隣住民への周知
足場の設置や解体を行う際は騒音が発生します。そのため、まずは管理組合や近隣住民に工事を行う旨を伝えていきましょう。直接挨拶できたほうが丁寧な印象を与えられますが、挨拶まわりのタイミングで不在の場合もあります。近隣住民のみんなが周知できるように、工事内容やスケジュールを記載した案内表を掲示板に貼ったりポストに投函したりすることが大切です。
養生シートの設置
挨拶まわりを終えたら足場を組み立て、設置が完了したら養生シートを取り付けていきます。養生シートは建物の四方に設置するのが基本です。養生シートは塗料やホコリ、ゴミなどの飛散を防ぐ役割があるため、設置は欠かせません。養生シートのなかには遮音性の高い製品もあり、騒音防止にもつながります。
大規模修繕工事開始
足場と養生シートの設置を終えたら、いよいよ大規模修繕工事です。工事中は近隣住民や通行人に配慮し、必要に応じて挨拶したり道を誘導してあげたりしましょう。
足場の解体
大規模修繕工事が終わって仕上げなどの確認を行ったら、足場を解体していきます。解体時も騒音が発生するため、事前に管理組合や近隣住民に一声かけるのがよいでしょう。足場に使われた資材をトラックに運ぶ作業もあるため、人に当たらないように注意します。
点検と清掃
足場は解体したら終わりではありません。解体後は足場を設置していた場所の周辺を点検し、部品やゴミが落ちてないか念入りにチェックしましょう。汚れていたら清掃もきっちり行います。点検と清掃を終えたら大規模修繕工事は終了です。
足場を設置する際の注意点
ここでは、足場を設置する際の注意点を5つ解説します。マンション居住者や近隣住民になるべく迷惑をかけないためにも、注意点を押さえておきましょう。
足場以外の項目が割高になっていないか確認する
足場費用の見積もりを確認する際は、足場以外の項目もチェックしてください。施工会社のなかには「足場費用が無料」になるキャンペーンを謳って、契約数を稼ぐことがあります。実際に見積もりをとると足場費用は無料になってはいるものの、他の項目が割高になっており、結果相場よりも総費用が高くなっている可能性があります。キャンペーンを利用することは決して悪いことではありません。しかし、何もかも鵜呑みにせず、必ず詳細を確認してから依頼するかどうかを決めましょう。
瑕疵保険に加入している施工会社を選択する
マンションの足場設置の依頼先を選ぶ際は、瑕疵保険に加入しているか確認してください。瑕疵保険に加入していると工事完了後に不具合が見つかっても、保険で修繕費用をカバーしてもらえます。加入していない施工会社に依頼すると、万が一不具合が見つかっても責任を逃れる可能性があります。安心して大規模修繕工事を進めるためにも、瑕疵保険に加入しているか確認するようにしましょう。
足場が隣接地に越境していないか確認する
足場を設置する際は、隣接地の敷地に踏み入れていないか注意深く確認する必要があります。もし隣接地に踏み入っていた場合は、損害賠償を請求されたり撤去を要求されたりしかねません。どうしても隣接地の敷地に踏み入ってしまう場合は、事前に隣接する土地の所有者に事情を話して許可を取りましょう。
マンション居住者や近隣住民の理解を得る
足場を設置する際は、マンション居住者や近隣住民の理解を得ることも重要です。事前に理解を得ることで、足場を設置する際に騒音やホコリなどが発生してもクレームにつながりにくくなります。足場を設置する場所によっては植木鉢や自転車などの移動が伴うこともあるため、その旨も伝えておくと協力してもらえるかもしれません。
空き巣の対策をする
足場を設置すると、工事中に発生する塗料やホコリなどの飛散を防止するために養生シートを取り付けるのが一般的です。近隣に迷惑がかかりにくくなる一方で、マンション内の様子が外から見えなくなってしまいます。すると、周囲が見えにくくなることを悪用して、空き巣が発生することも否定できません。足場を設置する際は、出入り口を施錠したり住居者は戸締りを徹底したりと対策を行ってください。
施工会社に依頼できる防犯対策
足場を設置すると外から中が見えにくくなってしまうため、空き巣などが起きる場合があります。工事中も安全にマンションの入居者が暮らせるように、ここで施工会社に依頼できる防犯対策を知りましょう。
足場の1階に金網を設置する
空き巣犯のなかには、足場からマンション内に侵入する場合があります。足場に設置されている養生シートを外せば誰でも侵入できてしまうため、突破されにくい対策が必要です。このようなケースでは、足場の一階部分だけ養生シートではなく金網を設置するのがよいでしょう。金網なら簡単に外せないため、侵入しにくい物件になります。
足場の出入口をオートロックにする
足場には複数箇所に出入り口が設けられています。休憩中や作業終了後は鍵をかけるのが基本ですが、忙しかったり忘れていたりして鍵を閉めずに現場を離れるケースも少なくありません。このような事態を防ぐためにも、オートロック式の施錠方法を取り入れるのがおすすめです。
防犯センサーを設置する
犯人の警戒心を煽るために、足場内に防犯センサーを設置するのもおすすめです。防犯センサーがあるとわかれば侵入の難易度が高まり、近づかなくなるでしょう。空き巣犯は目立つことを嫌がるため、音や光などが発生する防犯センサーを選ぶのがポイントです。
作業員の会社を認識できるようにする
大規模修繕工事では、数え切れないほどの業者が出入りします。そのため、侵入者が紛れ込んでも気づくのが難しくなります。施工会社とマンション入居者の安全を守るためにも、出入りする業者にはどこの施工会社かわかる作業服やヘルメット、腕章を着用してもらいましょう。
警備員の巡回を依頼する
大規模修繕工事を行っている最中に作業員たちの長期間休暇を挟む際は、警備員を配置して巡回してもらいましょう。とくにお盆や正月休みなどは入居者も帰省することが増えるため、空き巣に狙われやすくなります。別途、巡回費用がかかりますが、入居者の安全を守るためにも必要な対策です。
マンションの足場単価は規模によって変動する
マンションの大規模修繕を行うには、まず足場の設置が必要です。規模が大きくなるほど費用や設置期間はかかるため、大規模修繕を考えているオーナー様や管理会社は、本記事を参考に資金計画やスケジュールを組んでいきましょう。
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