ALCの特徴と経年劣化の状況とそのメンテナンス方法とは
2023.01.06更新 お家の部材の基礎知識
外壁といってもサイディングやモルタルなど、様々な種類があります。
そこで今回は、ALCと呼ばれる外壁の特徴に加え、経年劣化の症状や最適なリフォーム方法についてご紹介していきます。
長年住んでいることで必ず起こる経年劣化やお家を長く住み続けるためにはメンテナンスが欠かせません。
ALCの外壁に興味がある、現在ALCの外壁を採用した家に住んでいる方はこの記事を参考にしてください。
目次
■ALCってどんな外壁なの?
ALCは、正式には「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」といいます。
日本語に訳すと「気泡の入った軽量のコンクリート」です。主な原料としては、セメントや珪石、生石灰やアルミ粉末などです。
こうした原料をパネル型に流し込んで成形した後、高温・高圧・蒸気を利用した環境で固めて結晶化させることで作られています。
セメントが使用されているため、重さがあるのではないかと考える方もいますが、内部に気泡が含まれていることで軽さがあるのです。
では、ALCのメリットを見ていきましょう。
・軽さがある
上記でもご紹介したようにALCは軽さのあるパネルです。
外壁が軽いことで得られるメリットとしては、地震に強い家を作れる点でしょう。重い家は地震が発生すると揺れが大きくなってしまいます。
地震大国でもある日本においては魅力が高く、家族の安全を守るために最適であることが分かるでしょう。
・断熱性が高い
外壁材の内部に気泡があることで熱を伝わりにくくし外気温を室内に通しにくくします。
夏の暑さや冬の寒さは快適性に影響するため、室内環境を良くするためにも断熱性が高いという特徴は大きな魅力を感じられます。
冷暖房の効き具合にも影響があるため、省エネとなりお財布だけではなく環境にも優しい生活をすることにつながります。
・耐火性が高い
ALCは耐火性にも優れています。
燃えにくい特徴を持っているため、被害の拡大を抑制してくれるのです。
原料が無機質なので、火災が起きても有毒ガスが発生しない点も魅力といえるでしょう。
・遮音性が高い
子どものいる家庭やペットのいる家庭は、音漏れを気にしている場合も多いです。
近所迷惑にならないかと心配するのでしょうが、ALCであれば気泡が音を吸収するので、音漏れを防いでくれます。
音楽をしている方にもおすすめの外壁です。
・耐久性がある
外壁材を決めるにあたり、長持ちするものを選びたいと考える方は多いはずです。
ALCは、他の外壁材と比較をしても寿命が長いというメリットがあります。
メンテナンスは必要ですが、50~60年もの耐久性があるといわれているので長い間安心して過ごすことができます。
■ALCに見られる経年劣化とは?
メリットが多く耐久性もあるALCですが、経年劣化は必ず起きます。
住んでいる環境によっては早い段階で劣化症状が現れる可能性もあるので、定期的なチェックが必要となるでしょう。
そこで、ALCに見られる経年劣化の症状をご紹介していきます。
・チョーキング現象
ALCでもチョーキング現象は発生します。
白亜化現象とも言われ、顔料が粉上になって塗装の表面に現れることをいうのです。
外壁を触ると白い粉が付くので、劣化していることを実感できます。
「粉が出ているだけだから大丈夫」などと考える方もいますが、放置をしていると危険な状態となります。
塗膜劣化が起こっている証拠なので、耐久性や防水性の機能が弱まっていることが考えられるのです。
放置していれば、どんどん劣化が進むのでヒビ割れや剥がれなどが発生するといった更なるトラブルを生む可能性もあります。
早い段階でも対処が必要です。
・カビやコケの発生
外壁は自然環境にさらされているので気が付かないうちに劣化をしていきます。
カビやコケが発生することも予想され、外壁の見た目が悪くなることが考えられます。
日当たりの悪い場所は放っておくことで更に広がる可能性もあります。
塗膜の防水機能が低下している証拠でもあるので、早めに対処するようにしましょう。
・コーキングのヒビ割れ
ALCパネルを貼る際にはコーキングが施されます。
ヒビ割れがあると、そこから水が浸入しやすくなってしまいます。
建物内部に水が浸入してしまえば、雨漏りやカビといったトラブルが発生する可能性もあります。
放置していることで新たなトラブルが発生してしまうので、早めに対処するようにしましょう。
ALCパネルに関しては、設計に自由度を与えるためにも造りが小さい特徴を持っています。
そのため、継ぎ目が多くなってしまうデメリットがあるのです。
継ぎ目にはコーキングが施されるので、異常がないか全てのコーキング部分をチェックする必要があるでしょう。
■ALCのメンテナンス方法とは
上記のような劣化が考えられるALCのメンテナンス方法についてみていきましょう。
・コーキングの補修
ALCの耐久性が高くても、コーキングの耐久性は5~10年程度です。そのため、コーキングに劣化症状が現れれば、修繕が必要となるでしょう。
とはいえALCの場合、コーキングの上から塗膜を形成するためコーキングが直接紫外線を受けることはほとんどありません。
そのため「コーキングが割れていた!」と思っていても実際にはコーキングの上の塗膜が割れていただけ、というケースも少なくありません。
ALCのコーキングの施工方法として一般的なのが「増し打ち」です。既存のコーキングの上から新しいコーキングを充てんする方法です。
・塗装工事
ALCは、パネル自体に防水性がありません。そのため、塗装によって防水機能を持たせる必要性があるのです。
ALCは気泡があることで様々なメリットを生み出していますが、気泡に水が浸入しやすいというデメリットも持っているのです。
外壁が水を吸収してしまえば、パネル自体のヒビ割れや欠落を起こす可能性があるので、塗装が何よりも重要となります。
新築住宅であれば塗料による作用で防水性を持たせることができますが、紫外線などの経年劣化によって防水機能は失われてしまいます。
チョーキング現象やカビやコケといった症状は、塗料の劣化を表しているサインでもあるので、そうした症状が発生した際には塗装工事を検討しましょう。
おすすめの塗料は「フッ素系塗料」です。
雨や風といった気候変化に強い耐候性があり、耐用年数が長い特徴を持っています。
ただし、コストが高いデメリットがあるので、費用を抑えたい場合にはシリコン塗料も検討してみましょう。
耐候性がありながらもコストを抑えられるので、多くの家庭で採用されています。塗装業者に相談しながら最適な塗料を選んでください。
■一緒に塗装したい付帯部
ALCの外壁を塗装する際には、付帯部分の塗装も一緒に考えてください。付帯部分とは、雨樋や破風板、水切りなどの箇所のことをいいます。
塗装となれば、現在の外壁とは違うカラーを用いるケースも多いです。
その場合、付帯部分のカラーを変えずにいることで、「付帯部が浮いてしまう」「新しいカラーに合っていない」といった問題が発生してしまうのです。
後々後悔しないためにも、ALCだけではなく付帯部分のカラーを変更することも考え外壁塗装工事を依頼しましょう。
■耐久性の高いALCを長持ちさせるには塗装が必須
ALCは外壁材の中でも耐久性に強い特徴を持っています。
しかし、塗装を施さない限りそのメリットを活かすことができないのです。
カビやコケ、チョーキング現象など、目に見える異常が現れた場合には、防水機能を備えるためにも塗装工事を検討しましょう。
塗料の種類やカラーなど、業者と相談しながら最適な塗料を選び、後悔のない外壁塗装をしてください。
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